MirAI-V2

導入手順書(インストール手順書)

オンプレミス AI 映像管理システム(VMS)のインストール・初期設定・動作確認手順
バージョン / Version2.0.3
発行日 / Issue Date2026-06-17
発行 / Issued byMarkAny Co., Ltd.

改訂履歴 / Revision History

版数発行日改訂内容承認
1.02026-06-17初版作成

目次 / Contents

  1. はじめに
  2. 事前準備
  3. サーバーのインストール
  4. クライアントのインストール
  5. 初期設定
  6. 動作確認
  7. アンインストール手順
  8. トラブルシューティング

1. はじめに

本書は、MarkAny Co., Ltd. が提供するオンプレミス型 AI 映像管理システム「MirAI-V2(バージョン 2.0.3)」を、お客様環境へインストールし、初期設定および動作確認を行うための正式な導入手順を取りまとめたものです。

1.1 適用範囲

本書は、MirAI-V2 サーバーおよびクライアントのインストール、ライセンス有効化を含む初期設定、インストール後の動作確認、ならびにアンインストールおよびインストール時のトラブルシューティングを対象とします。日常運用・定期保守の手順は 「運用・保守マニュアル」 を、検収項目・試験手順は 「検収書・テスト仕様書」 を参照してください。

1.2 対象読者

本書は、本システムの導入作業を行うインストール作業者、および導入後に本システムを管理するシステム管理者を対象としています。Windows の基本操作、ネットワーク・ファイアウォール設定、および管理者権限での作業に関する基礎知識を前提とします。

1.3 前提条件(動作環境)

インストールを開始する前に、対象機器が動作環境・システム要件を満たしていることを必ずご確認ください。サーバー/クライアントのハードウェア要件、GPU・CUDA・TensorRT 要件、ネットワーク・ポート要件、対応カメラ等の詳細は、別冊 「動作環境・システム要件書」 に記載しています。

本システムはオンプレミス(お客様構内設置)型です。AI 推論はサーバー内で完結し、映像データを外部クラウドへ送信することはありません。AI 推論には NVIDIA GPU が必須です。

2. 事前準備

インストーラーを実行する前に、以下のチェックリストの各項目を確認・準備してください。NVIDIA ドライバーおよび CUDA Toolkit は事前導入が必要です。その他の依存関係(PostgreSQL、VC++ ランタイム、GStreamer、CUDA ライブラリ等)は MirAI-V2 インストーラーが自動的に導入します。

2.1 インストール前チェックリスト

事前導入が必要なのは NVIDIA ドライバーと CUDA のみです。これらが正しく導入されていない場合、インストール後の AI エンジン起動に失敗します。インストール作業の前に必ず nvidia-smi および nvcc --version で動作確認を行ってください。

3. サーバーのインストール

サーバーは、AI 推論エンジン、映像取り込み(RTSP キャプチャ)、録画、API/WebSocket/TCP サービス、ならびにデータベースを稼働させる中核機器です。以下の手順に従ってインストールしてください。なお、シングルマシン構成(サーバーとクライアントを同一機器で運用)の場合は、本章のインストールタイプで「クライアントとサーバー」を選択することで、クライアントも同時に導入されます。

3.1 インストーラーの実行

  1. インストーラーファイル MirAI.exe をダブルクリックします。
  2. Windows が「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示した場合、[はい] をクリックします。
  3. インストール時に使用する言語(日本語/英語/韓国語)を選択します。
  4. 使用許諾契約 の内容を確認のうえ同意し、[次へ] をクリックします。
[スクリーンショット挿入予定 / Screenshot: インストーラー起動画面(言語選択・使用許諾契約)]

3.2 インストールタイプ(コンポーネント)の選択

インストーラーがインストール内容を尋ねます。サーバー機としてセットアップする場合は、以下のいずれかを選択します。

オプション選択する場合
クライアントとサーバーこの機器で AI サーバーとビューアクライアントの両方を運用する場合(シングルマシン構成で最も一般的)。
サーバーのみこの機器で AI 処理サーバーのみを運用する場合(専用サーバー機)。クライアントは別機器に導入します。
  1. 運用構成に合わせてインストールタイプを選択します。
  2. [次へ] をクリックします。
[スクリーンショット挿入予定 / Screenshot: インストールタイプ(コンポーネント)選択画面]

3.3 インストールの実行

インストーラーが自動的に以下を実行します。完了までしばらくお待ちください。

  1. VC++ ランタイムのインストール(未導入の場合)。
  2. PostgreSQL データベースのインストール。
  3. MirAI Server ファイルのコピー。
  4. MirAI Client ファイルのコピー(「クライアントとサーバー」選択時)。
  5. GStreamer(映像処理)のインストール。
  6. NVIDIA CUDA ライブラリのコピー。
  7. MirAI サービスの登録(Windows 起動時に自動開始するよう構成)。
  8. MirAI サーバーの起動。
  9. デスクトップショートカットの作成。
インストール(ファイルのコピーおよび依存関係の導入)には、システム構成により約 5〜10 分を要します。
[スクリーンショット挿入予定 / Screenshot: インストール進行状況(プログレスバー)画面]

3.4 サービス登録の確認

インストール完了後、MirAI サーバーは Windows のバックグラウンドサービスとして登録され、自動起動するよう構成されます。サービスの状態は以下で確認・制御できます。

  1. 画面右下(時計付近)の通知領域に MirAI システムトレイアイコンが表示されていることを確認します。
  2. サービスを手動で制御する場合は、システムトレイアイコンを右クリックし、[サーバー起動][サーバー停止] を選択します。
  3. コマンドプロンプト(管理者権限)からも制御できます。
    net start com.markany.miraix
    net stop com.markany.miraix

3.5 初回起動と AI エンジンの初回ビルド

サーバー導入後、クライアントから初めてログインした際(または初回起動時)に、AI エンジンがお客様の GPU 向けに最適化モデル(TensorRT エンジン)をビルドします。

AI エンジンの初回ビルドには 15〜30 分程度を要します(GPU 構成・カメラ台数により変動)。この処理は初回のみ発生し、以降の起動は高速です。ビルド中はアプリケーションを終了せず、カメラの追加や設定変更も行わないでください。
[スクリーンショット挿入予定 / Screenshot: AI エンジン初回ビルド中のローディング画面]

4. クライアントのインストール

クライアントは、ライブ映像のグリッド表示、AI パイプライン編集、通知・インシデント履歴の閲覧等を行う専用アプリケーションです。サーバーと別機器にクライアントのみを導入する場合の手順を以下に示します(シングルマシン構成では、本章の作業は不要です)。

4.1 インストーラーの実行とコンポーネント選択

  1. クライアントを導入する機器で MirAI.exe をダブルクリックします。
  2. Windows のユーザーアカウント制御で [はい] をクリックします。
  3. インストール言語(日本語/英語/韓国語)を選択します。
  4. 使用許諾契約 に同意し、[次へ] をクリックします。
  5. インストールタイプで [クライアントのみ] を選択し、[次へ] をクリックします。
[スクリーンショット挿入予定 / Screenshot: インストールタイプ「クライアントのみ」選択画面]

4.2 インストールの実行と完了確認

  1. インストーラーが MirAI Client ファイルおよび必要な依存関係(GStreamer、VC++ ランタイム等)を自動的に導入します。完了までお待ちください。
  2. インストール完了後、デスクトップに MirAI ショートカットが作成されていることを確認します。
クライアントとサーバーが別機器の場合、クライアントからサーバーへ接続するために、サーバー側ファイアウォールで所定のポートが開放されている必要があります(本書「5.3 ネットワーク・ポート・TLS」を参照)。

5. 初期設定

インストール完了後、本システムを運用可能な状態にするための初期設定を行います。初回ログイン、ライセンス有効化、ネットワーク・ポート・TLS、タイムゾーン・言語の各設定を順に実施します。

5.1 初回ログインとパスワード変更

  1. デスクトップの MirAI アイコンをダブルクリックして、クライアントを起動します(スタートメニューからも起動できます)。
  2. ログイン画面で以下を入力します。
    項目入力内容
    Server IP(サーバー)localhost(サーバーが同一機器の場合)、またはサーバーの IP アドレス サーバー IP / Server IP
    IDadmin
    Password初回ログイン時に入力したパスワードが、そのまま admin の初期パスワードとして設定されます。初期パスワード / Initial Password
  3. [ログイン] をクリックします。
  4. 初回接続時、自己署名証明書に関する証明書警告が表示される場合があります。これは正常な動作です。[はい] をクリックしてサーバーを信頼します(詳細は「5.3 ネットワーク・ポート・TLS」を参照)。
管理者アカウント(admin)は初回起動時にパスワード未設定の状態で自動作成され、最初のログイン時に入力したパスワードが初期パスワードとして登録されます。セキュリティ確保のため、運用開始前に必ず安全なパスワードへ変更してください。

パスワードの変更手順:

  1. 画面の [設定](歯車アイコン)→ [ユーザー] を開きます。
  2. admin ユーザーを選択し、[編集] をクリックします。
  3. パスワードを十分に強固なものへ変更します。
  4. [保存] をクリックします。
[スクリーンショット挿入予定 / Screenshot: ログイン画面 / ユーザー設定(パスワード変更)画面]

5.2 ライセンスの有効化

本システムを正規に利用するため、ライセンスを有効化します。インターネット接続環境の有無に応じて、オンライン有効化またはオフライン有効化のいずれかを実施してください。

5.2.1 オンライン有効化

  1. [設定][ライセンス] を開きます。
  2. ライセンスキー(形式 XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX)を入力します。
  3. [有効化] をクリックします。

5.2.2 オフライン有効化(インターネット非接続環境)

  1. [設定][ライセンス] を開きます。
  2. [リクエストファイルの生成] をクリックし、生成されたファイルを保存します。
  3. 保存したファイルを MarkAny サポート窓口へ送付します。送付先:support@markany.com
  4. 返送されたライセンスファイルを受領します。
  5. [ライセンスファイルのアップロード] をクリックし、受領したファイルを選択して [適用] をクリックします。
[スクリーンショット挿入予定 / Screenshot: ライセンス設定(キー入力 / オフライン有効化)画面]

5.3 ネットワーク・ポート・TLS

MirAI-V2 はクライアント/サーバー間およびカメラとの通信に以下のポートを使用します。クライアントとサーバーが別機器の場合は、サーバー側ファイアウォールで該当ポートの受信を許可してください。

用途ポートプロトコル備考
REST API(クライアント ↔ サーバー)7878HTTPS / TCPTLS 有効時は HTTPS。
リアルタイム同期(イベント・状態通知)7575WSS / TCPWebSocket over TLS。
バイナリファイル転送(映像クリップ・画像)7979TCPインシデント映像/画像のダウンロード。
ライブ映像ストリーミング7676UDPライブ映像配信。
RTSP 再ストリーミング(メイン/サブ)8554 / 8555RTSP / TCPクライアントへの映像再配信。
データベース接続5432TCP(PostgreSQL)サーバーローカル接続を推奨。

ファイアウォール設定手順(サーバー側):

  1. Windows Defender ファイアウォール[詳細設定] を開きます。
  2. [受信の規則][新しい規則] をクリックします。
  3. [ポート][TCP] を選択し、ポートに 7878, 7575, 7979 を入力します。
  4. [接続を許可する] を選択し、すべてのプロファイルに適用したうえで、名前を「MirAI TCP」として保存します。
  5. 同様に [UDP] について規則を追加し、ポートに 7676 を入力して「MirAI UDP」として保存します。

または PowerShell(管理者権限)で以下を実行します。

New-NetFirewallRule -DisplayName "MirAI TCP" -Direction Inbound -Port 7878,7575,7979 -Protocol TCP -Action Allow
New-NetFirewallRule -DisplayName "MirAI UDP" -Direction Inbound -Port 7676 -Protocol UDP -Action Allow
TLS(暗号化)について:MirAI-V2 は既定で TLS を有効化しており、HTTPS(7878)および WSS(7575)で通信します。初回起動時にサーバーが自己署名証明書を自動生成するため、初回接続時に証明書警告が表示される場合がありますが、自己署名証明書では正常な動作です。お客様の認証局(CA)が発行した証明書への差し替えにも対応可能です。

5.4 タイムゾーン・言語

  1. クライアントの表示言語は、初回インストール時に選択した言語が適用されます(日本語/英語/韓国語)。
  2. 録画・イベントのタイムスタンプは、サーバー機器の Windows システム時刻・タイムゾーンに基づいて記録されます。運用開始前に、サーバー機器の Windows 設定 → 時刻と言語 で、タイムゾーンが正しく設定されていることを確認してください。タイムゾーン:タイムゾーン / Time Zone(例:(UTC+09:00) 大阪、札幌、東京)
  3. 複数機器を運用する場合は、サーバー・クライアント間で時刻が同期している(NTP 等)ことを確認してください。

6. 動作確認

初期設定の完了後、本システムが正しく稼働していることを確認します。以下のチェックリストに沿って各項目を確認してください。詳細な検収項目・試験手順・合否判定基準は 「検収書・テスト仕様書」 を参照してください。

テストカメラの追加手順:

  1. [設定][カメラ管理] を開きます。
  2. [+ カメラ追加] をクリックします。
  3. 登録方法を選択します。
    • 自動:カメラの IP 範囲を入力し(例:192.168.1.1192.168.1.255)、[検索] をクリックします。
    • 手動:カメラの RTSP URL を直接入力します。
  4. 検出(または入力)したカメラを選択し、[追加] をクリックします。
  5. ライブビューグリッドに映像が表示されることを確認します。
[スクリーンショット挿入予定 / Screenshot: カメラ追加画面 / ライブビューグリッド / AI ステータス表示]

7. アンインストール手順

本システムを機器から削除する場合は、以下の手順に従ってください。

  1. システムトレイアイコンを右クリックし、[終了] を選択して、システムトレイアプリを停止します。
  2. Windows 設定[アプリ] を開き、一覧から MirAI を探して [アンインストール] をクリックします。
  3. アンインストーラーの指示に従って処理を進めます。

アンインストーラーは、サーバー(および導入されている場合はクライアント)について、以下を自動的に実行します。

データの取り扱いに関する注意:録画データ、データベース、および設定ファイルは、アンインストール時には削除されません。録画映像・イベント履歴・設定を含むすべてのデータを完全に削除するには、アンインストール後に C:\Program Files\MirAI\Server\data\ フォルダーを手動で削除する必要があります。
この操作は取り消せません。録画映像が一括で消去されるため、実行前に必要なデータのバックアップ・退避が完了していること、および法令・社内規程上の保存期間要件に抵触しないことを必ず確認してください。

8. トラブルシューティング

インストール時によく発生する事象と対処方法を以下に示します。導入後の運用・保守に関する事象および対処は 「運用・保守マニュアル」 を参照してください。

区分事象対処方法
インストーラーインストーラーが起動しないインストーラーを右クリックし「管理者として実行」を選択する。
GPU / ドライバー「NVIDIA driver not found」と表示されるNVIDIA 公式サイトから最新の NVIDIA ドライバー(バージョン 560 以上)をインストールし、nvidia-smi で認識を確認する。
GPU / ドライバー「CUDA not found」と表示されるCUDA Toolkit 12.8 をインストールし、nvcc --version で "release 12.8" の表示を確認する。
ポート競合サービスが起動しない/ポートが使用中使用ポート(7878 / 7575 / 7979 / 7676 / 8554 / 8555、DB 5432)が他アプリケーションと競合していないか確認する。競合時は該当アプリを停止するか、ポート設定を見直す。
ライセンスライセンス有効化に失敗するライセンスキーの入力内容を確認する。インターネット非接続環境ではオフライン有効化(本書 5.2.2)を実施する。
DB 接続再起動後にサーバーが起動しないPostgreSQL サービスが実行中か確認する。Windows イベントビューアー → アプリケーションログでエラー内容を確認する。
接続クライアントがサーバーに接続できないサーバーが実行中か(システムトレイアイコン)を確認する。別機器の場合はファイアウォールで所定ポートが開放されているか確認する。
証明書初回接続時に証明書警告が表示される自己署名証明書では正常な動作。「はい」をクリックしてサーバーを信頼する。
AI エンジン「AI Engine Loading」が 30 分以上続くnvidia-smi で GPU メモリを確認する。GPU メモリが満杯の場合、他の GPU アプリケーションを終了する。
映像カメラ映像が黒い画面になるまず VLC Media Player 等で RTSP URL を再生して疎通を確認する。カメラの認証情報(ID/パスワード)を確認する。
ログイン「Check ID and Password」でログインに失敗する初期 ID は admin。パスワードが変更済みの場合は管理者に確認する。
上記で解決しない場合、または導入後の運用・保守に関する事象については、「運用・保守マニュアル」 を参照のうえ、MarkAny サポート窓口(support@markany.com)までお問い合わせください。