MirAI-V2
動作環境・システム要件書
オンプレミス AI 映像管理システム(VMS)導入に関する推奨構成および要件
改訂履歴 / Revision History
| 版数 | 発行日 | 改訂内容 | 承認 |
| 1.0 | 2026-06-17 | 初版作成 | — |
1. 本書の目的および適用範囲
本書は、MarkAny Co., Ltd. が提供するオンプレミス型 AI 映像管理システム「MirAI-V2(バージョン 2.0.3)」を導入・運用いただくにあたり、必要となるサーバーおよびクライアント機器、ネットワーク、データベース、対応カメラ等の動作環境・システム要件を取りまとめたものです。
本システムは、IP カメラ(ONVIF / RTSP)からの映像を取り込み、GPU による AI 推論(物体検知・火災/煙・転倒・侵入等の検知)、録画、リアルタイム通知、ならびに専用クライアントによる監視を一体的に提供します。AI 推論には NVIDIA GPU が必須です。
本書に記載の数値のうち、製品仕様として確定している値は確定値として記載しています。お客様の運用条件(カメラ台数、フレームレート、保存期間、稼働率等)に依存する値については [推奨値: …] 形式のプレースホルダーで示し、サイジング時に確定いたします。
2. サーバー要件
サーバーは、AI 推論エンジン、映像取り込み(RTSP キャプチャ)、録画、API/WebSocket/TCP サービス、ならびにデータベースを稼働させる中核機器です。GPU 性能が同時処理可能なカメラ台数を直接左右します。
2.1 最小構成
| 項目 | 要件 |
| OS | Windows 10 または Windows 11(64-bit) |
| CPU | Intel Core i7(第8世代以降)または AMD Ryzen 7 相当 |
| メモリ / RAM | 16 GB |
| ストレージ / Disk | システム用 256 GB SSD + 録画用 1 TB HDD |
| GPU(AI 推論に必須) | NVIDIA GeForce RTX 3060 以上(VRAM 8 GB 以上) |
| ネットワーク | 1 Gbps Ethernet |
2.2 推奨構成
| 項目 | 推奨 |
| OS | Windows 11(64-bit) |
| CPU | Intel Core i9 または AMD Ryzen 9 相当 |
| メモリ / RAM | 32 GB |
| ストレージ / Disk | システム用 512 GB NVMe SSD + 録画用 4 TB HDD 以上 |
| GPU | NVIDIA RTX 4080 以上(VRAM 16 GB 以上) |
| ネットワーク | 10 Gbps(カメラ 30 台以上を運用する場合) |
高密度なカメラ運用(多数台の同時 AI 推論)には、マルチ GPU 構成(2 CPU/4〜8 GPU)にも対応しています。GPU を増設することでカメラ収容台数を水平方向に拡張できます。構成の詳細はサイジング時に個別にご提案いたします。
2.3 必須ソフトウェア・依存関係(GPU/ランタイム)
下表のうち NVIDIA ドライバーおよび CUDA Toolkit は、インストール前に事前導入が必要です。その他の依存関係(PostgreSQL、VC++ ランタイム、GStreamer、CUDA ライブラリ等)は MirAI-V2 インストーラーが自動的に導入します。
| 項目 | 要件 / バージョン | 導入方法 |
| NVIDIA GPU ドライバー | バージョン 560 以上 | 事前導入(お客様にてインストール) |
| NVIDIA CUDA Toolkit | 12.8 | 事前導入(お客様にてインストール) |
| TensorRT(推論最適化) | TensorRT 10.8(ONNX Runtime 併用) | 製品に同梱 |
| PostgreSQL(データベース) | [バージョン: 製品同梱版] | インストーラーが自動導入 |
| Visual C++ ランタイム | 製品同梱版 | インストーラーが自動導入 |
| GStreamer(映像処理) | 製品同梱版 | インストーラーが自動導入 |
| インストール用空き容量 | 最低 50 GB の空きディスク容量 | — |
| 権限 | コンピューターの管理者権限 | — |
初回起動時、AI エンジンはお客様の GPU 向けに最適化モデル(TensorRT エンジン)をビルドします。この処理には 15〜30 分程度を要し、初回のみ発生します。完了するまでアプリケーションを終了しないでください。
3. クライアント要件
クライアントは、ライブ映像のグリッド表示、AI パイプライン編集、通知・インシデント履歴の閲覧等を行う専用アプリケーションです。サーバーと同一機器で動作させること(クライアント+サーバー構成)も、別機器から接続することも可能です。
| 項目 | 要件 |
| OS | Windows 10 または Windows 11(64-bit) |
| CPU / RAM(最小) | Intel Core i7(第8世代以降)/ AMD Ryzen 7 相当、RAM 16 GB |
| CPU / RAM(推奨) | Intel Core i9 / AMD Ryzen 9 相当、RAM 32 GB |
| GPU | [推奨値: ハードウェアデコード対応 GPU(多画面ライブ表示時の負荷軽減のため)] |
| ディスプレイ / 解像度 | [推奨値: フル HD(1920×1080)以上。多分割グリッド表示には WQHD / 4K を推奨] |
| ネットワーク | 1 Gbps Ethernet(サーバーとの間で後述のポートが疎通していること) |
クライアントとサーバーが別機器の場合、サーバー側ファイアウォールで本書「4. ネットワーク・ポート要件」記載のポートを開放する必要があります。
4. ネットワーク・ポート要件
MirAI-V2 はクライアント/サーバー間およびカメラとの通信に以下のポートを使用します。クライアントとサーバーが別機器の場合は、サーバー側ファイアウォールで該当ポートの受信を許可してください。
4.1 サービスポート(クライアント ↔ サーバー)
| 用途 | ポート | プロトコル | 備考 |
| REST API(全 CRUD 操作) | 7878 | HTTPS / TCP | TLS 有効時は HTTPS。Bearer JWT 認証。 |
| リアルタイム同期(イベント・状態通知) | 7575 | WSS(WebSocket over TLS)/ TCP | 接続初回メッセージでトークン認証。 |
| バイナリファイル転送(映像クリップ・画像) | 7979 | TCP | インシデント映像/画像のダウンロードに使用。 |
| RTSP 再ストリーミング(メイン) | 8554 | RTSP / TCP | クライアントへの映像再配信。 |
| RTSP 再ストリーミング(サブ:低解像度) | 8555 | RTSP / TCP | グリッド表示用の低解像度ストリーム。 |
| ライブ映像ストリーミング | 7676 | UDP | ライブ映像配信に使用。 |
4.2 サーバー ↔ カメラ/データベース
| 用途 | ポート | プロトコル | 備考 |
| カメラ映像取り込み(RTSP) | 554 | RTSP / TCP | カメラ標準ポート(機種により異なる場合あり)。 |
| カメラ検出・制御(ONVIF) | 80 / 443 | HTTP / HTTPS | ONVIF デバイス検出・設定取得。 |
| データベース接続 | 5432 | TCP(PostgreSQL) | サーバーローカル(localhost)での接続を推奨。 |
TLS(暗号化)について:MirAI-V2 は既定で TLS(TLS 1.3)を有効化しており、HTTPS(7878)および WSS(7575)で通信します。初回起動時にサーバーが自己署名証明書を自動生成します(Trust On First Use 方式)。初回接続時に証明書の警告が表示される場合がありますが、自己署名証明書では正常な動作です。お客様の認証局(CA)が発行した証明書への差し替えにも対応可能です。
4.3 接続数の上限(既定値)
| 項目 | 既定の上限 | 備考 |
| 同時 TCP 接続数(AI イベントストリーム) | 100 | 上限超過時は警告のうえ拒否。 |
| 同時 WebSocket 接続数 | 50 | 上限超過時は警告のうえ拒否。 |
| RTSP 再ストリーミングセッション最大数 | 5,000 | 多数カメラ × 複数クライアント運用を想定。 |
上記はいずれも設定により調整可能です。運用規模に応じてサイジング時に最適化いたします。
5. データベース要件
MirAI-V2 は永続データ(ユーザー、カメラ設定、AI パイプライン、インシデント履歴、通知ルール、監査証跡、セッション、システム設定等)の保管に PostgreSQL を使用します。PostgreSQL はインストーラーにより自動的に導入されるため、お客様による事前導入は不要です。
| 項目 | 内容 |
| データベース製品 | PostgreSQL |
| バージョン | [バージョン: 製品同梱版] |
| 導入方法 | MirAI-V2 インストーラーが自動導入 |
| 接続ポート | 5432(サーバーローカル接続を推奨) |
| 接続プールサイズ(既定) | 10 |
| 接続タイムアウト(既定) | 30 秒 |
6. 対応カメラ
MirAI-V2 は、標準プロトコルに準拠した IP カメラに対応します。専用カメラは不要で、既設の監視カメラ資産を活用いただけます。
| 項目 | 内容 |
| 対応プロトコル | ONVIF(自動検出)/ RTSP(手動 URL 指定) |
| 映像取り込み方式 | RTSP プル(サーバーがカメラへ接続して取得) |
| 映像コーデック | [対応コーデック: H.264 / H.265 等。詳細は機種互換性リストを参照] |
| カメラ登録方法 | IP レンジ自動検出、または RTSP URL の手動入力 |
| カメラ標準ポート | RTSP 554 / ONVIF 80・443(機種により異なる場合あり) |
ONVIF / RTSP に準拠していれば多くの主要メーカー製カメラをご利用いただけます。個別機種の対応可否については、導入前検証(PoC)にて確認いたします。
7. ストレージ・保存容量の目安
録画データの所要ストレージ容量は、カメラ台数・解像度・フレームレート・コーデック(ビットレート)・録画方式(常時録画/イベント録画)・保存期間(リテンション)に依存します。常時録画では概ね以下の関係で見積もります。
| 区分 | 内容 |
| 主な決定要因 | カメラ台数、1 台あたりのビットレート、保存期間(日数)、録画方式 |
| 連続録画セグメント長(既定) | 60 秒単位で録画ファイルを分割 |
| 最低空きディスク率(既定) | 5%(これを下回ると保護動作) |
| 概算式(常時録画) | [目安: 必要容量(GB) ≒ カメラ台数 × 1台あたりビットレート(Mbps) × 0.45 × 24h × 保存日数。実値は機種・設定により変動] |
| 推奨保存期間 | [推奨値: 30 日(お客様の運用・法令要件に応じて設定)] |
録画用ディスクは、システム用ディスクとは別の専用ドライブ(HDD/NVMe)を強く推奨します。正確な必要容量は、お客様のカメラ仕様(解像度・ビットレート)と保存期間をもとにサイジング時に算定いたします。
8. カメラ台数の目安
1 サーバーあたりの収容カメラ台数は、主に GPU の VRAM 容量と AI 推論負荷(解析対象 FPS)によって決まります。GPU を増設するマルチ GPU 構成により、収容台数を拡張できます。下表は GPU メモリ容量別の目安です。
| GPU メモリ(VRAM) | 推奨カメラ台数(1 GPU あたり) | 推論バッチサイズ(目安) |
| 8 GB | 8 〜 12 台 | 16 |
| 12 GB | 12 〜 20 台 | 24 |
| 16 GB | 16 〜 24 台 | 30 |
| 24 GB | 24 〜 32 台 | 32 |
| サーバー構成 | GPU 数 | 収容カメラ台数(目安) |
| 4 GPU 構成 | 4 | 約 64 台(1 GPU あたり 16 台) |
| 8 GPU 構成 | 8 | 約 128 台(1 GPU あたり 16 台) |
上表は設計上の目安であり、実際の収容台数は解像度・解析 FPS・有効化する AI 機能・カメラのフレームレートにより変動します。AI へ送出する 1 カメラあたりの解析フレームレートには上限を設けることで GPU/CPU 負荷を調整できます。最終的な収容台数は導入前検証(PoC)およびサイジングにて確定いたします。
1 台あたり実効台数のハード上限: [制限値: 設定・GPU 構成に依存。固定上限なし]
9. ブラウザ要件(取扱説明書の閲覧)
本書および MirAI-V2 の HTML 形式取扱説明書を閲覧する際は、以下の最新版ブラウザを推奨します。これらは説明書閲覧のための要件であり、システム本体の動作要件ではありません。
| ブラウザ | 推奨バージョン |
| Google Chrome | 最新版 |
| Microsoft Edge | 最新版 |
| Mozilla Firefox | 最新版 |
取扱説明書は同梱の CSS(assets/delivery.css 等)を参照する HTML ファイルです。フォルダー構成を保ったままご利用ください。社内ネットワークやスタンドアロン環境でもオフラインで閲覧可能です。
10. 備考・前提条件
- 本システムはオンプレミス(お客様構内設置)型です。AI 推論はサーバー内で完結し、映像データを外部クラウドへ送信することはありません。
- AI 推論には NVIDIA GPU が必須です。NVIDIA 以外の GPU、または GPU 非搭載環境では AI 機能は動作しません。
- 本書記載の確定値(OS・ポート・GPU/CUDA・TensorRT 等)は、MirAI-V2 v2.0.3 の標準構成に基づきます。
- [推奨値: …]/[目安: …] 等のプレースホルダーで示した項目は、お客様の運用条件に基づくサイジングにて確定します。
- 本書の内容は、製品改良等により予告なく変更される場合があります。